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「夢の中の美術館」


いつからだろうか、毎日同じ夢を見る。それは、たった一人で美術館にいる夢だ。真っ白な、俗に言う”ホワイトキューブ”というタイプの美術館で、絵や彫刻、壁画や民芸品まで。ありとあらゆる形態、年代の作品が展示されている。一つの階の全ての部屋を見終えると、螺旋階段が見つかる。そこを下ると、また美術館だ。しかし、同じ作品が続くわけではない。降りた先の作品は見たことのないもの。一度見た作品は二度と僕の前には表れない。一度螺旋階段を下ると、二度と上へは戻れない。

そんな夢を見続けて、どのくらいの月日が経ったのだろうか。僕はもう、疲れてしまった。毎日ただひたすら、美術館を巡り続ける。そんな夜を、どう楽しめというのだろう?

そんなある日、僕はノートにある絵を描いた。全くの無意識だった。その絵は記憶に鮮明に残っている。昨日見た夢に出てきた絵だ。題は「20」。意味は分からなかったが、そうして夢に出てきた絵を描き出すことで、何かが変わる気がした。

これは僕自身の記憶の整理であり、夢の理解への努力である。世界中の人々に、僕の夢を知ってほしい、夢の世界を感じてほしいというちょっと面白そうな目標を掲げてはいるが、これはまさに、正真正銘、ぼくの。。。だ。